投資信託ってどうなの?*その3
今日は株式投資信託の種類と、注意していただきたい点をお話しします。
皆さんがイメージされている投資信託のほとんどが株式投資信託かと思います。
(株式投資信託といっても、債券だけで運用してもいいのですが)
ざっくりと分けると、アクティブ型とインデックス型があります。
・アクティブ型:積極的な投資により、市場全体の動きよりも大きな利益を目指す。
・インデックス型:特定の指標(ベンチマーク)に連動するように運用する。
金融機関が営業で積極的に勧めてくるのは主にアクティブファンドです。
積極投資のため手数料は高めになりますが、商品ごとに特色がありますね。
その時々の流行を反映しているので面白いです。
対するインデックスファンド。お察しの通り、コストは安くなります。
例えば「日経平均に連動する」ファンドであれば、日経平均に採用されている225銘柄を買い付けていけば良いのです。
もちろん、うまく連動するように組み入れ比率に注意が必要です。
インデックスファンドには株式市場に上場しているものもあります(上場不動産投信:ETF)。
日経平均やTOPIXに連動するものが主流ですが、そのほか金などの実物資産、海外指数などをベンチマークとするものもあります。
不動産に投資して分配金を出すREIT(上場不動産投信)などもありますね。
ETFは手軽さが割と好きですが、取引量が少ないので流動性に注意が必要です。
そういう意味では中級者向けといったところでしょうか。
あとはバランス型と言われるものがありますが、基本的にインデックスファンドの詰め合わせみたいな感じです。
例えば日本株25:日本債券25:外国債券25:外国株25といったように組み合わせて運用します。
運用していく中で、例えば日本株が伸びて組み入れ比率が上がったら、一部売却して他の資産に投資し、定期的にバランスを戻します。
インデックス型とアクティブ型の間のように説明されますが、やはりコストは高めになりますね。
良い商品もあるかとは思いますが、個人的に注意していただきたいポイントを挙げていきますね。立場的にやや批判的にはなります。笑
「毎月分配型ファンド」:毎月決算を行い、分配金を出すタイプ。
隔月のタイプもあり、その場合は年金支給のない奇数月に支給するものが主流。
比較的高齢な富裕層が主な客層のため、年金を補完する定期的な利回りが欲しいというニーズに応えた商品がヒットした、と言われています。
まぁ、、単純に毎月分配金が出たらお小遣いが増えた気分で嬉しいですよねw
お察しの方もいるかと思いますが、毎月決算を行いますので、コストが高くなります。
また、分配金を支払うために一定程度の現金を確保する必要がありますね。
長期での資産形成を目指す際には欠かせない、複利運用(大事なので、詳しくは後日!)の効果もなくなる。
また、利益が出ていないときに分配を出すとなると、資産を削った上にコストをかけて分配金を出すことになる。
投資の目的にもよりますが、基本的には投資の効率が非常に悪いです。
ここで考えていただきたいのは、何のための投資なのか?という点ですね。
資産を減らしてもいいから、定期的なお小遣いが欲しいのか?
長期的に資産形成をしたいのか?
運用方法が全く変わってくるかと思います。
**今年の4月に金融庁の森信親長官が批判的なコメントを出したため、金融機関も積極的には勧めにくくなっているかもしれません。
金融機関の姿勢に苦言を呈するという、かなり異例の内容ですので、興味のある方は「金融庁長官」「森信親」などで検索しましょう!
3年目も続投することになり、本もたくさん出版されています。
さて。毎月分配の次に浮上するのは「テーマ型投信」かなと思います。
「テーマ」。つまり、「環境関連」「水関連」「エネルギー」など、特定のテーマに沿った企業の株式や債券などに投資するタイプの商品です。
うまくいくこともあるのですが、やはり特定のテーマに絞ると賞味期限が短い傾向がある。実はコストも高い。
そして、テーマを決めてしまうと、本来なら投信の最大のメリットであるはずの「分散投資」にならない。
たとえば、エネルギー関連の株など20種類に分散したとしましょう。
エネルギーも石油・石炭・ガスと様々ありますが・・・
これまでの原油価格の動きから見ても、殆どが連動して上昇(下落)するのは容易に想像できますよね?
原油価格が下落した結果、シェールガスの会社が倒産し、ロシアが深刻な不況に陥る、など。。原油以外であっても同じテーマに影響を及ぼします。
つまり、テーマを決めた結果、身動きが取れなくなってしまう可能性がある。
基本的には、ある程度柔軟なほうが良いと思います。
・・・しかし、なんでこんな投信ばかりが売れ筋なのか?
早い話が売りやすい。つまり顧客がメリットを感じやすい、魅力がわかりやすい、ということだと思います。
10年後、30年後のために長期的に資産を増やしましょう~といってもなかなか顧客は食いつかないですし、金融機関にとっても短期的に売買してくれた方がその都度手数料も入る。
だからこそ、これからは消費者自身が学ばないといけないのです。
私もまだまだ勉強中。頑張りますよ!